用語解説
クライオポンプとは、真空ポンプの1つです。ため込み式真空ポンプに分類され、真空容器内に絶対零度近くまで冷却された極低温面を設置し、ここに気体分子を凝縮または吸着させて貯蔵、排気します。
一般的にクライオポンプは二重構造をとります。1段目は気体分子を80K(-193℃)程度に冷却する能力を有します。ここでは水蒸気や炭酸ガスなどが排気されますが、窒素や酸素、アルゴンなどは80Kでは蒸気圧が高すぎるため排気されません。2段目は気体分子を20K(=-253℃)程度に冷却する能力を有し、1段目では排気できなかった窒素や酸素、アルゴンなどを排気します。更に2段目の裏に20K以下に冷却される吸着剤を設置することで、20Kでも蒸気圧が高すぎて廃棄されない水素やヘリウムを吸着・排気することができます。