医療機器に使われる板金部品は、品質や精度が特に求められます。当社では様々なお客様のご要望にお応えしながら、多種多様な医療機器向けの板金加工を行ってまいりました。そこで培った、医療機器向け板金加工において外すことができないポイントを、島田工業なりにまとめてご紹介いたします。

 

 

医療機器向け板金加工で外せないポイントとは?

医療機器向け精密板金加工を行う上で、外せないポイントは下記のとおりです。

  • 適切な素材選定
  • 一般鉄やアルミ材への表面処理
  • 意匠性のある外観
  • 用途に合わせた溶接組立
  • 精密板金加工から配線組立までの一貫対応

 

適切な素材選定

医療用の精密板金加工において、素材はステンレス材と一般の鉄材のどちらも使用されます。特に耐食性や衛生面などを重視する製品については、SUS304・SUS430などのステンレス材が主に使用されることが多くなっています。ステンレス材は錆びにくい特性を持った合金鋼で耐食性や耐熱性にも優れており、衛生的な面からみても洗浄や清掃の管理がしやすいので、医療用板金の材料として非常に重宝されております。

つまり、医療機器向け精密板金加工を行う際には、特にステンレス板金加工の品質精度が重要となってきます。

 

一般鉄やアルミ材への表面処理

また、一般の鉄材やアルミ材を使用する場合もありますが、その際は塗装やメッキ、アルマイト処理といった表面処理を施して、耐食性を高めてから使用されます。ステンレスではなく一般鉄やアルミ材に表面処理を施して利用するケースとしては、例としては機構部には関係のない外装部品が挙げられます。強度が求められる外装部に鉄材の厚板を採用することで、同じ板厚のステンレス材よりも調達コストを抑えることができるようになります。

なお、一般鉄やアルミ材に表面処理を施す場合は、塗膜の剥がれやメッキの経年劣化での腐食などが起こりえるため使用場所やその取扱いには注意が必要となります。

 

意匠性のある外観

ステンレス材を使用する製品は、外観も非常に重視されます。そのため、意匠面へのキズは絶対にNGです。また、医療現場で製品を使用する方が指先を切ったり怪我をすることがあると、大変重大な事態になる可能性もあります。そのため、バリ処理については細心の注意を払って行う必要があります。

 

用途に合わせた溶接組立

医療機器向け板金の溶接組立について、弊社ではスポット溶接・アーク溶接・Tig溶接・YAG溶接を取り扱っております。 一般的な組立部品に関してはスポット溶接を主に使用し、当社では厚み3.2mmまでの実績がございます。しかし、亜鉛メッキ鋼板については2.3mm以上になると強度的に難しくなり、通電の関係から溶接部分の表面を削る等の対処が必要になることがあります。

また組立部品において気密性を保ちたい部品の場合は、アーク・Tig・YAG溶接の選択になりますが、それぞれに一長一短があります。

  • アーク溶接:しっかり溶接することが出来ますが、溶接ビードが太くなり仕上げ作業が発生します。
  • Tig溶接:気密性は保てますが歪みが発生する場合があり、見栄えについてはアーク溶接と比較すると抑えることはできますが、仕上げ作業を行うことが多いです。
  • YAG溶接:歪みも少なく見栄えについて仕上げがほとんど必要ありませんが、溶接強度的に薄板1.6mmくらいまでになります。

なおステンレス材・鉄材、どちらにしても上記溶接は可能ですが、異種溶接は強度試験(破壊試験)を行い確認しながらの作業になります。

 

精密板金加工から配線組立までの一貫対応

当社では、医療機器向け精密板金加工を行うだけでなく、医療機器の配線組立にも対応しております。まずは上記のような注意点を踏まえた上で、ブランク加工・曲げ加工・タップ加工・溶接などの精密板金加工を行ったあと、組立工程においてビス止めと配線組立を行っております。

当社では1社でワンストップ対応をしておりますので、横持ちが発生しない分のリードタイム短縮や品質管理の一元化といった形でお客様へメリットを提供しております。

 

 

医療機器向け板金加工の製品事例をご紹介!

精密板金加工 配線組立.comを運営する島田工業株式会社による、医療機器向け板金加工の製品事例をご紹介いたします。

レントゲンカメラ用アルミ筐体

レントゲンカメラ用アルミ筐体

レントゲンカメラを格納するためのアルミ製筐体です。ファイバーレーザーによる穴あけ加工、曲げ加工、プレス加工、カシメ加工、および溶接仕上げを施して製作しております。

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超低温フリーザ貯蔵庫用 ヒンジ

超低温フリーザ貯蔵庫用 ヒンジ

これは超低温フリーザ貯蔵BOXに使用されるヒンジです。超低温フリーザ貯蔵BOXとは、冷却性能‐85℃/-150℃/-152℃を有する貯蔵庫のことで、主に細胞や血液といった生体試料や試薬などを保存するのに使用されます。

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バイオハザード対策用キャビネット筐体

バイオハザード対策用キャビネット筐体

研究施設で使用されるバイオハザード対策用キャビネットの筐体です。製造工程はレーザーで抜き加工を施したあと、ベンダー曲げ、スポット溶接、スタッド溶接、ヘアライン処理を行います。バイオハザード対策用キャビネットはバイオハザードを封じ込めるための装置となります。

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医療機器用 精密板金カバー

医療機器用 精密板金カバー

医療用機器などの機械を収納するカバー部品となります。こちらの部品は2部品にて構成されており、1つは厚さ1.2mmのSPCC材をファイバーレーザー加工機を使用して抜き工程を行い、曲げ工程にて通常の曲げの他にFR曲げ(一定のピッチにて細かく送り曲げを行いR形状を作る方法)を行うことで客先の図面通りのR形状を出しております。

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医療用機器操作パネル用 精密板金フレーム

医療用機器操作パネル用 精密板金フレーム

こちらの製品は、医療機器の操作パネル用のフレームになります。製作工程としては、ファイバーレーザー加工機による抜き加工・バリ取り・曲げの3工程と一見単純ですが、写真から分かるように複雑な形状かつ比較的小型の製品であるため、曲げ加工の工程に手間がかかり、計14回の曲げを行っております。

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医療機器用 精密板金SUSホッパー

医療機器用 精密板金SUSホッパー

この製品は医療関係で使用されるホッパーの精密板金組立品になります。

四角の口の部分が下になって漏斗のように使用されるもので、集められた薬などが詰まったりしない様に 内側部分はカーブがついている特殊な形になっており、組立を行うのに精度が求められます。 素材はSUS430で部品は都合13点で構成されており、外側の部分はスポット溶接にて組立を行い、内側についてはネジ止めで形状を作っています。 加えて、こちらの製品は医療用途の製品になりますので、バリ等が発生しないよう、品質には細心の注意を払って製作を行っております。

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LEDライト付天井設置型空気清浄機「L&Air」

LEDライト付天井設置型空気清浄機「L&Air」

こちらの製品は、自社開発でプロダクトしたLEDライト付天井設置型空気清浄機「L&Air(エル・アンド・エアー」です。この製品の特長は、照明と清浄機が一体型となったことで生活空間にゆとりあるスペースを実現できることと、内蔵されている高性能HEPAフィルター(アースプラス複合セラミック材料)によるウィルス・花粉・アレルゲン物質を吸着分解し快適で安心な生活空間を作り出すことです。

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実験用冷凍庫用 精密板金加工ベース

実験用冷凍庫用 精密板金加工ベース

この製品は実験等に使用する冷凍庫用のベースの精密板金加工品になります。SPHCの厚さ2.3mmの材料を使用し、レーザー加工機にて抜き工程を行い、曲げ工程にて4辺を折り込むように曲げます。次にスクリュウボルトを8本、プロジェクション溶接(溶接部品のどちらかに突起(プロジェクション)を設け その突起に圧と電流を流すことで部品同士を圧接すること)を行います。それから裏部に補強部品2点をスポット溶接にて20か所溶接し、完成となります。この上に補器類等を組み上げていくベースになる部分のため、 歪み無く、かつ、強度を持たせて仕上げることが重要な製品になります。

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医療・バイオ機器用 底部ASSY

医療・バイオ機器用 底部ASSY

この商品は医療・バイオ機器に使用される底板部のASSYになります。 材質は脚部が板厚t1.0mmとt2.0mmのSUS430、箱部がt1.0mmのSUS304になっております。この材質の使い分けの背景としては、SUS304のほうが耐食性に優れる一方でコストもその分上がりますので、ドレンを受ける箱部はSUS304を適用、比較的耐食性は必要とされない脚部はSUS430を適用しております。

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保冷装置用 電装ボックス(板金加工品)

保冷装置用 電装ボックス(板金加工品)

この部品は医療用保冷装置向けの電装部ボックス板金加工品です。 材質はこの後塗装工程があるためSECC-JT材を使用し、板厚は1mmとなっております。

加工工程としては2点の部品をまずタレットパンチプレスにて抜き加工を行いますが、中に機械を組み込むために同時に20箇所前後にバーリング加工(穴部をフランジ加工すること)を行います。そのため曲げ加工では逆曲げに注意しつつ、底部を4回・箱部が6回の曲げを行っています。 その後、それぞれズレの無いように治具も使用しながら組み合わせた上で、スポット溶接にて11点溶接を行って完成となります。

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医療用ステンレスフィルターカバー

医療用ステンレスフィルターカバー2

こちらの製品は、医療関係で使用するクリーンルームに設置される、クリーンユニットのフィルターカバーになります。材質はSUS304(ヘアライン材)で板厚は1.2mmとなっております。

カバーの枠部分と金具、パンチング材をタレットパンチプレスにて抜き加工を行い、枠と金具の曲げ加工をした後、溶接工程に入ります。枠の角部4ヵ所をTig溶接し仕上げ処理を行い、パンチングをスポット溶接にて都合36点行います。最後に溶接の焼け取りをして完成となります。

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医療機器用ステンレス板金加工

医療機器用ステンレス板金加工

こちらは医療機器に組み込んで使用するステンレス板金加工品となっております。材質はSUS430、板厚は0.6mmと0.8mmの2種類になります。

台になる部分は、板厚0.8mmの板をタレットパンチプレスにて抜き加工を行い、バリ取りをした後に5回の曲げ加工を行います。8個付く部品は、板厚0.6の板をプレスで抜き加工を行い、バリ取り後に6回の曲げ加工を行っています。さらに組立はスポット溶接にて24点溶接し、焼け取りを行って仕上げになります。

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医療・医薬機器用ステンレス板金・溶接加工

医療・医薬機器用ステンレス板金・溶接加工

こちらは医療・医薬系分野の機器に使用するステンレス製の受け皿です。 材質はSUS430、板厚は1mmの材料を使用し、受け皿部分と補強部分をそれぞれタレットパンチプレスにて抜き加工、続いて曲げ加工を行い、溶接にて組立を行っています。

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医療機器向け精密板金加工のことなら、精密板金加工 配線組立.comにおまかせ!

精密板金加工 配線組立.comを運営する島田工業株式会社は、群馬県・伊勢崎市に板金工場・組立工場を持った、温調圧縮・電気装置機器のOEM受託加工・製造メーカーです。

当社は、①鋼板からの板金加工による装置機器の設計・製作と、②装置機器の電気配線・配管接続等の電気制御技術、というソフトとハードの両面に対応した設計・製作を行うことができるOEMメーカーであることが、最も大きな特徴です。また当社は、装置機器の納入に際して、ヘリウムリーク検査や電気検査、100時間に及ぶ試運転などのように、各種試験を徹底的に行った上で高精度ユニット製品の納入をいたします。

特に近年は、医療機器の精密板金加工からOEM生産に関するご相談が多くなっております。業務用空調機器の製造で培ったノウハウを活かして、様々な装置の製造を行っております。また当社では、図面製作前の設計・開発段階からのものづくりのお手伝いもしております。

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