OEM製造とは?仕組み・メリットと依頼先の選び方を徹底解説
「OEM製造」という言葉は、化粧品・食品からアパレル、産業機械まで、非常に幅広い業界で使われています。本記事では、その中でも機械装置・電気機器を対象とした産業用OEM製造、すなわち板金加工・装置組立・電気配線組付けを中心とした受託製造について、仕組みからメリット、依頼先を選ぶ際のポイントまでを解説します。化粧品・食品分野のOEMをお探しの方には、内容が合わない可能性がありますので、あらかじめご了承ください。
目次
OEM製造とは?
OEM(Original Equipment Manufacturer/Original Equipment Manufacturing)とは、委託元のブランドで製品を製造すること、またはその受託製造を行う企業を指します。日本語では「相手先(委託者)ブランド名製造」「納入先(委託者)商標による受託製造」などと訳されます。
委託元(発注側)は、製品の設計・仕様を用意し、製造そのものを受託先(OEMメーカー)に任せます。自社で生産設備や製造ノウハウを持たなくても、量産や品質の安定した製品を市場に出せることが、OEM活用の大きな理由です。
OEMとODMの違い
OEMと混同されやすい言葉に「ODM(Original Design Manufacturing)」があります。両者の違いは、設計を誰が担うかにあります。
| OEM | ODM | |
|---|---|---|
| 設計・仕様策定 | 委託元(発注側)が用意 | 受託先が設計から担う |
| 受託先の役割 | 図面・仕様どおりに製造 | 設計提案+製造 |
| 委託元に必要な体制 | 設計部門・仕様策定力 | 企画・要件定義のみでも成立 |
島田工業では、支給いただいた図面どおりに製造するOEMだけでなく、下記にてご紹介する消臭用エアシャワー機の事例ように設計段階から関わるODM案件も対応しています。実際の案件では、OEMとODMが明確に分かれているというより、「図面はあるが設計段階から改善提案してほしい」という中間的なご相談も多くあります。
企業がOEM製造を活用する理由
委託元の企業がOEM製造を選ぶ主な理由は、次の4点に整理できます。
- 設備投資の抑制:板金加工設備、溶接設備、検査設備を自社で保有せずに製造できます。
- 専門技術の活用:溶接・配管ロウ付け・電気配線など、専門性の高い工程を、その分野の実績があるメーカーに任せられます。
- 開発リソースの集中:製造を外部に委託することで、自社は設計・企画・販売に人的リソースを集中できます。
- 生産量の柔軟な調整:試作段階の少量から量産まで、自社工場の稼働状況に左右されずに対応できます。
産業用OEM製造が活用される主な業界
産業用OEM製造は、機械装置・電気機器を扱う幅広い業界で活用されています。代表的な業界と、OEMで製造される主な製品は次のとおりです。
| 業界 | OEMで製造される主な製品の例 |
|---|---|
| 空調・温調機器 | チラー、コンプレッサーユニット、恒温装置、空調機器の筐体 |
| 半導体・電子部品 | 製造装置のフレーム・カバー、冷却ユニット、電装ボックス |
| 医療・理化学機器 | 装置の筐体・フレーム、カバー、キャビネット類 |
| 食品機械・厨房機器 | 業務用食器洗浄機、焙煎機、食品加工機械の筐体 |
| 環境・エネルギー関連 | 空気清浄・脱臭装置、ミスト噴霧器、水処理・給水装置 |
| 産業機械・FA | 工作機械のカバー、搬送装置の架台、洗浄装置 |
| 電気・通信機器 | 制御盤、電源装置、通信機器の筐体 |
| アミューズメント・サイネージ | 遊技機・デジタルサイネージの筐体 |
このうち、島田工業がこれまでに実際に対応してきた業界は以下のとおりです。
空調・温調機器
チラー・コンプレッサーユニット・恒温装置など、島田工業が最も実績を積んできた領域です。気密性の高い筐体製作と配管のロウ付け、電気配線の組付けまでを一貫して対応しています。
電気・電子機器
制御盤、電源装置、通信機器の筐体などが中心です。板金製作から電気配線の組付けまでを一貫して行うことで、部品間の干渉確認や配線ルートの最適化も図面段階から対応できます。
半導体製造装置
クライオポンプ用コンプレッサーユニットなど、パーティクル(微粒子)の発生を抑えた高い加工品質と、ヘリウムリーク試験による気密保証が求められる領域です。
医療機器(構成部品・筐体)
医療機器そのものではなく、医療機器を構成する筐体・フレーム・カバーなどの部品レベルでのOEM製造です。衛生面・気密性・寸法精度への配慮が特に求められます。
>>医療機器OEMとは?部品・筐体の板金加工で押さえるべきポイントを解説 →
環境装置・食品機器
大気水生成機(AWG)のような環境技術関連の装置や、業務用食洗器をはじめとする食品機器のOEM製造にも対応しています。
ここに挙げた業界・製品に限らず、板金加工・溶接・組立・電気配線・検査を伴う装置であれば対応できる場合があります。図面がない段階からのご相談も承っていますので、お気軽にお問い合わせください。
OEM製造の主な工程
機械装置・電気機器のOEM製造は、大きく分けて以下の工程で進みます。
- ①設計確認・VE提案:支給図面の加工可否を確認し、必要に応じてコスト・品質面での改善提案を行います。
- ②板金加工(抜き・曲げ):ファイバーレーザー加工・NCTパンチによる切り出しと、ベンダーによる曲げ加工。
- ③溶接・接合:TIG溶接・YAG溶接・スポット溶接・ロウ付けを、製品の要求仕様に応じて使い分けます。
- ④表面処理:粉体塗装、アルマイト処理、電解研磨など。
- ⑤組立・電気配線・配管接続:筐体組付け、電気配線、配管の接続。
- ⑥検査・試験:水張り試験・エアリーク試験・ヘリウムリーク試験・通電試験・エージング試験。
各工程の詳しい内容は、以下の記事で解説しています。
>>精密板金加工とは?一般板金との違い・工程・材質から発注先選定まで徹底解説 →
OEM製造の依頼先を選ぶ際に確認すべきポイント
「精密板金加工 見積」などで検索すると、多くの加工業者が出てきます。価格だけで選んで後悔したという声は少なくありません。依頼先を選ぶ際は、少なくとも次の点を確認することをお勧めします。
- 対応できる工程範囲:板金部品の製作のみか、組立・配線・試験まで一括対応できるか。
- 設備の水準:最新のレーザー加工機・ロボットベンダーを導入しているか。
- ロット対応の幅:試作の少量から量産まで、同一工場・同一品質基準で対応できるか。
- VE提案力:図面通りに作るだけでなく、コスト・品質面での改善提案ができるか。
- 品質保証体制:検査・試験を内製化しているか。外注試験は結果の受け取りに時間がかかります。
依頼先選定の詳しいポイントは、以下の記事で解説しています。
素材・金属加工の観点から見るOEM製造
OEM製造の品質を左右する要素のひとつが、素材選定と加工方法です。鉄・ステンレス・アルミ・銅など、素材によってコスト・強度・溶接性・表面処理の相性が異なります。金属加工全体の考え方については、以下の記事で詳しく解説しています。
>>金属加工をOEMで委託するには?対応工程と鉄・ステンレス・アルミの素材別ポイント →
島田工業が対応するOEM製造の範囲
島田工業は、群馬県伊勢崎市に板金工場・組立工場を持つ、温調圧縮・電気装置機器のOEM受託加工・製造メーカーです。対応する範囲は、板金部品単体の製作から、装置一式の組立・電気配線・各種検査までと幅広く、ご依頼内容に応じて柔軟にお受けしています。
大型ミスト噴霧器「ボルケーノ」 OEM製造

委託いただき製造を行った大型ミスト噴霧器のOEM品です。精密板金加工・塗装・組立、配線組立、各種検査までワンストップで対応しています。風を発生させる機器のため筐体部分に高い気密性が求められ、設計段階から風が漏れない構造で設計し、組立時も隙間やズレが出ないよう面・角に注意して組み立てています。
消臭用エアシャワー機 ODM/OEM製造

衣類に付いた臭いを短時間で取り除く装置で、設計段階から委託いただいたODM品です。設計から精密板金加工〜溶接・組立〜粉体塗装、配線組立、各種検査までをワンストップで対応しています。SUS製の配管・継手はかじりによる漏れを防ぐため、封着材とシールテープを使用しています。
業務用食洗器 OEM製造

業務用の食器洗浄機を、試作開発段階からご相談いただいてOEM製造した事例です。図面は島田工業で作成し、自社工場で板金部品を加工したうえで、支給品の継手部品を用いて組み立てています。温水を発生させる構造のため、Φ65の太径パイプを用いた組立が必要でしたが、問題なく対応しました。設置する店舗によってサイズが異なるため、細部の調整機能を含めた板金設計を施し、量産生産に対応できるようにしています。材質はSUS304、サイズは1,100×680×1,600mm〜3,000×970×1,850mmです。

島田工業がOEM製造で選ばれる理由
設計〜製造〜検査までの一社完結
板金加工、溶接、表面処理、電気配線・配管組付け、各種検査までを群馬県伊勢崎市の自社工場内で完結できることが最大の特徴です。窓口が一社になることで、設計変更への対応が一元化され、工程間の情報伝達ロスがなくなります。
多品種中量生産に対応する設備と技術力
ファイバーレーザー複合機とロボットベンダーにより、月産1,000台を超えるOEM量産と、最小ロット10個程度からの小ロット生産を、同一工場で対応しています。加えて、群馬県内でも数少ない「特級工場板金技能士」をはじめとする熟練技術者が、設備だけでは対応しきれない複雑形状の加工を担っています。
検査・試験の内製化による品質保証
水張り試験・エアリーク試験・ヘリウムリーク試験・通電試験・エージング試験(100時間、300時間など)を自社ブース内で実施し、結果を確認した上で納品しています。外注試験に比べて結果の受け取りが早く、不良発生時の原因追及もスムーズです。
OEM製造のことなら、島田工業にお任せください
島田工業は、群馬県伊勢崎市で機械装置・電気機器のOEM製造を行う受託加工メーカーです。板金部品のみのご依頼から、装置一式の組立・電気配線・検査まで、幅広い工程範囲でご相談を承っています。まずはお気軽にお問い合わせください。
📞 0270-32-3516(平日:9:00〜17:00 )
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よくあるご質問
Q. OEMとODMの違いは何ですか?
A. OEMは委託元が設計・仕様を用意し、受託先がそれに沿って製造する形態です。ODMは受託先が設計段階から関わります。弊社では両方の形態でのご依頼に対応しています。
Q. 化粧品や食品のOEM製造にも対応していますか?
A. 弊社は機械装置・電気機器を対象とした精密板金加工・組立のOEM製造メーカーであり、化粧品・食品そのもののOEM製造には対応しておりません。食品機器(焙煎機や食器洗浄機などの装置本体)のOEM製造には実績がございます。
Q. 小ロットの試作から相談できますか?
A. はい、試作10個程度からご相談いただけます。量産時は月産1,000台を超える規模まで、同一工場・同一工程で対応しています。
Q. 図面がまだない段階でも相談できますか?
A. 可能です。仕様・用途・使用環境をお伝えいただければ、設計段階からのVE提案を含めてご相談に応じます。