OEMとは?

OEM(オーイーエム、Original equipment manufacturer)とは、他社ブランドの製品を製造すること、またはその受託製造を行っている企業そのものを指します。日本語では「相手先(委託者)ブランド名製造」、「納入先(委託者)商標による受託製造」などと訳されることもありますが、つまり、委託先の企業の製品を代行して製造を行う企業を指します。日本の多くの企業がOEM製造を行っており、当社でも様々な企業の最終製品のOEMを行っています。

 

OEM装置組立におけるポイント

各種装置のOEM組立製造をする際に必要なポイントとしては、下記の4つが挙げられます。

①高精度な精密板金加工技術

OEM装置を組立製造する際に必要な板金部品の精度が、装置全体の外観品質や精度に直結します。各部品が寸法公差から外れると、装置組立時に累計誤差として生じてしまい、装置全体として大きな誤差が発生してしまいます。そのため、各部品を寸法公差にきちんと収める、精密板金加工技術が求められます。

②徹底したトルク管理による筐体組付け

OEM装置を組立製造するためには、心臓部となる配線・配管のみにとどまらず、筐体部分、さらに内部構造の設計も必要になります。特に重要なのが、組立精度です。組立精度が悪いと、内部の配線・配管回路が正しく設置されず、装置の機能が発揮されなくなってしまいます。

当社では、ボルトの締め具合に、作業者間でのばらつきや過不足がないよう、閾値を設定し徹底したトルク管理を行っております。

③端子加工も品質確保

装置組立をする際に重要となるのが、端子を含めた電気配線の接続組立です。島田工業では、端子加工についても社外講習を受講した作業者のみが行うという運用をとることで一定レベルの品質を確保する体制も整えています。

④銅配管や異種金属配管の高度なロウ付け技術

当社がOEM組立をする装置の代表格であるチラー・冷却水循環装置では、水を循環させる冷却水の循環回路が心臓部といっても過言ではありません。この冷却回路は、銅やSUS等の配管のロウ付けが必要となります。また一部のチラーユニットでは、銅配管のロウ付け以上に難度の高い、銅とSUSという異種金属のロウ付けも必要になるケースがあります。さらに循環水タンクも、高精度なロウ付けを行わないと、水漏れが発生してしまう原因となる可能性があります。

当社では、配管のロウ付け作業については、社内認定を取得している作業者が行っております。社内でのハイレベルな認定を突破した、高い技術を保有したベテラン社員のみがロウ付け作業を行うように徹底することで、高い品質の配管接合を実現しております。

⑤スヌープ液、ヘリウムによるリーク検査、循環検査

溶接部のリーク検査は、スヌープ液・ヘリウムを使用して行われます。スヌープ液は、サブアッセンブリ状態の際に漏れの有無を検査するために使用します。一方、ヘリウムは恒温装置としての組立が完了した後に漏れの有無を検査する際に使用します。当社では、高精度な配管ロウ付けを行うだけでなく、OEM組立装置の動作時、冷却水が循環した際に液漏れが起こらないように、配管のリーク検査、循環検査も社内で行っております。

>>リークチェックとは?リーク検査・試験の種類や方法まで解説!

⑥設計~製造~検査までの一貫対応体制

OEMとして装置を量産製造する際には、上記のポイントを一貫対応する必要があります。すべての工程を社内で内製しなければ、配管や筐体のどちらかに最適化された設計・製造になってしまったり、外注費によるコスト増加につながってしまいます。

精密板金加工 配線組立.comを運営する島田工業株式会社では、空調機器や温冷機器のOEM製造の実績が多数ございます。高精度な板金部品加工をベースに、配管溶接、リーク試験、筐体組立、さらには電気配線の組立まで、一貫対応することができます。このユニットOEM製造体制が、多くの大手メーカー様からも選ばれる理由です。

 

OEM装置組立における最も重要なこととは?

ここまで、OEM装置組立におけるポイントを説明してまいりましたが、OEMというと「受託製造だから言われた通りの製品をそのまま作る。」「図面通りの製品ができればOK。」と考えられがちです。しかし、当社にお問い合わせをいただくメーカーの方々のお話をお聞きすると「自社商品のスペックが求める品質通りのものとなっているか?」「自社製品の価格競争力を強化したい」という要望をいただくことが多くあります。

そのため、島田工業がOEM受託装置メーカーとして最も重要としているのは、「図面に対して付加価値提案が可能であるか、コストメリットの提案が可能であるか」という付加価値提案です。

これまで当社では大手メーカーの方々からお問合せを頂いた場合には、各工程を考慮し、既存図面・製品・既存のサプライヤーからの改善提案を見積回答時から行ってきました。その結果、お客様には付加価値を感じて頂き、お付き合いをさせて頂く流れとなっています。つまり、当社が考えるOEMメーカーのあるべき姿としては、お問い合わせを頂いた際にただお見積りをするのではなく、図面に対して付加価値提案が可能であるか、コストメリットの提案が可能であるかという点を考慮して提案を行うことが必要と言えます。

また、自社のラインを用いた試作開発にも対応をすることで提案だけでなく、提案の結果どのような改善があったかという点を含めて提案をすることで、開発リードタイムの短縮にも貢献をしています。

これは、社内での一貫対応ができ、かつ様々な経験やノウハウを有する島田工業だからこそできるOEM装置組立のポイントだと考えます。

>>OEM先の選び方・選定におけるポイント

>>チラーユニットのOEM製造における4つのポイント

>>コンプレッサーのOEM製造における5つのポイント

>>空調機器・電気機器のOEMメーカーとして提案できること

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OEM組立装置の製品事例をご紹介!

精密板金加工 配線組立.comを運営する島田工業株式会社による、実際にOEMで装置組立をした製品事例をご紹介いたします。

事例①:チラーユニット用恒温装置

チラーユニット用恒温装置

こちらは、当社にて受託製造を行っている、チラー用の恒温装置です。精密板金加工 配線組立.comでは循環水タンクなど各部位の組立から、銅配管および銅とSUSの異種金属配管のロウ付け、筐体としての組付け、更には動作時に液漏れが起こらないように銅配管のリーク検査、循環検査までを一貫して行っています。

本製品の銅配管にはコンプレッサーユニットのものに比べて太いものが使用されていることから、ロウ付けの難度が高くなっており、フィレットが綺麗に形成されていてもロウの溶け込みが不十分であることもあります。

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事例②:コンプレッサーユニット

クライオポンプ用コンプレッサーユニット

この製品は受託生産を行っておりますクライオポンプ用のコンプレッサーユニットです。このクライオポンプを含めたユニット装置は主に半導体や医薬の製造装置に使用され、冷却方式として空冷式をとる、室内用のクライオポンプとして採用されます。

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事例③:コンプレッサーユニット 小型タイプ

コンプレッサーユニット 小型タイプ

この製品は受託生産を行っておりますクライオポンプ用のコンプレッサーユニットで、精密板金加工 配線組立.comで組み立てているコンプレッサーユニットの中では、一番小型のユニット品となります。冷却方式として空冷式を採用しているクライオポンプに使用されているユニットです。

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事例④:クライオポンプ用コンプレッサーユニット(大型タイプ)

クライオポンプ用コンプレッサーユニット(大型タイプ)

この製品は受託生産を行っておりますクライオポンプ用のコンプレッサーユニットで、精密板金加工 配線組立.comが組み立てを行っているものの中でも一番大きく、クライオポンプユニットとして100㎏を超える大型の製品に採用されています。このクライオポンプを含めたユニット装置の用途としては、半導体や医薬の製造装置における冷却を目的としています。

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事例⑤:クライオポンプ用コンプレッサー OEM製造

クライオポンプ用コンプレッサー OEM製造

こちらの製品は、OEM受託生産を行っております、クライオポンプ用のコンプレッサーユニットです。精密板金加工 配線組立.comが組立製造を行っているものの中でも最も大きく、クライオポンプユニットとして100㎏を超える大型の製品に採用されています。このクライオポンプを含めたユニット装置の用途としては、半導体や医薬の製造装置における冷却を目的としています。

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事例⑥:大型ミスト噴霧器 OEM製造

大型ミスト噴霧器 OEM製造

こちらは、当社がOEM製造を行っている大型ミスト噴霧器「ボルケーノ」です。 この大型ミスト噴霧器「ボルケーノ」は、当社が委託いただき製造を行いましたOEM品で、精密板金加工・塗装・組立、更には配線組立、各種検査までワンストップ対応を行ったものとなります。

この大型ミスト噴霧器は、風を発生させる機器であることから筐体部分には高い気密性が求められ、逆に風の漏れが発生していると規定の風量が出ません。そこでこの製品は、予め設計の段階から風が極力漏れない構造で設計を行うことで気密性を高めております。更に組立作業においても、隙間やズレが発生しないように面や角に注意し組立を行うことで高い気密性を実現させることができるようになるのです。

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事例⑦:消臭用エアシャワー機 ODM/OEM製造

消臭用エアシャワー機 ODM/OEM製造

こちらのエアシャワー機は、衣類に付いた臭いを短時間で瞬時に取り除くための装置です。当社が設計から委託いただき製造を行いましたODM品で、設計から精密板金加工~溶接・組立~粉体塗装、更には配線組立、各種検査までワンストップ対応を行ったものとなります。

組立においてはSUS製の配管と継手を使用しておりますが、SUS同士だと締付部分がかじりやすいため漏れの原因となります。そのため、封着材とシールテープを巻くことで、かじりによる漏れを防止しています。

またこの製品の筐体は、5パーツで1つの筐体となります。そのため組立作業の注意点としては、隙間やズレが発生しないように面や角に注意し組立を行うことが挙げられます。

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事例⑧:シートメタル洗浄機 OEM製造

シートメタル洗浄機 OEM製造

この製品は、精密板金加工 配線組立.comを運営する島田工業株式会社がOEM製造しております機械装置で、板金加工の油・粉塵・指紋を取り除く洗浄機です。

当社にて精密板金加工~溶接・組立~塗装から、配線組立、配管組立、コーキング処理、数日間にわたるエイジングまでをワンストップで行っております。配管組立においては、委託元よりご支給いただいた1インチの大きなSUS配管をシールテープで巻き、締付けています。締付では、テープの巻き数、配管の角度、配管の距離を考慮し締付作業をしております。シールテープの巻き数が1巻き違った場合違いでも漏れや、締付量(距離)が変わってしまう為、シールテープの巻き数、配管からの距離の基準を設けて作業しております。 また洗浄機のローラーの圧入やモーター等の外配線も当社における組立作業の中で行っております。

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事例⑨:工場用 クリーンエア供給装置(小型版)

工場用 クリーンエア供給装置(小型版)

この製品は、受託生産を行っております工場用 クリーンエア供給装置の小型版です(大型版の事例も、本サイトに掲載しています)。機能としては先に挙げた事例と同様で、工場内の生産工程において有毒ガス(硫化水素等)が発生した場合、生産設備の故障を防ぐ清浄機能を有しております。当該製品の下部から有毒ガスを吸い上げ、内部のフィルターを通し、上部の排気口より清浄された空気を排出します。本筐体は精密板金加工から溶接、電気配線、組立まで当社にて一貫対応しておりますが、そのサイズや構造は発生する有毒ガスの種類によって異なり、設置場所等の環境の要望を考慮してそれにお応えしております。また筐体のカバーには発泡ウレタンを注入しておりますが、それは当社だけでは対応できないため、外注先を巻き込むことで対応しております。

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事例⑩:ミラーロイド (デジタルサイネージ)

ミラーロイド (デジタルサイネージ)

この製品は精密板金加工 配線組立.comが受託生産を行っております、ミラーロイドという製品です。”鏡がディスプレイ”となり、お客様が使用する環境・用途にあったアプリをインストールすることでオリジナルサービスがディスプレイ上で可能となります。例えば、この製品により『美容室での髪型・カラーリング・メイクのシミュレーション・肌質・髪質チェック』『アパレルショップでのデジタルカタログ・ヴァーチャルフィッティング』『フィットネスジムで・トレーニングの見本動画・ヴァーチャルトレーナー・データ管理』『ホテル・マンション・飲食店等でのインテリアを兼ねたデジタルサイネージ』『会議等でのプレゼンション』『アミューズメント・商業施設等の空間演出』等が可能になります。

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事例⑪:吸着材ユニット

吸着材ユニット

この製品は、受託生産を行っております吸着材ユニットです。工場内の生産工程において有毒ガス(硫化水素等)が発生した場合、生産設備の故障を防ぐ清浄機能を有しております。当該製品の下部から有毒ガスを吸い上げ、内部のフィルターを通すことで清浄を行います。

筐体は板金から組付けまで一貫して当社内でおこなっておりますが、筐体のカバーについては発泡ウレタンを注入する為、外注に一度出しております。また電気配線のアッセンブリーについては基盤、トランス等が複雑な為、熟練された技術が必要となります。

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OEM装置組立のことなら、精密板金加工 配線組立.comにおまかせ!

精密板金加工 配線組立.comを運営する島田工業株式会社は、群馬県・伊勢崎市に板金工場・組立工場を持った、温調圧縮・電気装置機器のOEM受託加工・製造メーカーです。

当社は、①鋼板からの板金加工による装置機器の設計・製作と、②装置機器の電気配線・配管接続等の電気制御技術、というソフトとハードの両面に対応した設計・製作を行うことができるOEMメーカーであることが、最も大きな特徴です。また当社は、装置機器の納入に際して、ヘリウムリーク検査や電気検査、100時間に及ぶ試運転などのように、各種試験を徹底的に行った上で高精度ユニット製品の納入をいたします。

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